「不動産」とは、土地や土地に定着しているものを指します。(民法86条1項)
替えの利かない、移動が容易でないもの、かつ財産として高価なものであることから、「動産」である物とは区別されます。(民法177条)
土地の上に建てられている「建物」も不動産です。
土地とは別個の不動産として扱われます。(民法370条)
土地に植えてある樹木も不動産と言えますが、特別法によって扱われる場合を除いて
土地に吸収されたものとして扱われます。
「建物」である…といえるものは、
屋根と柱で遮断され、建物としての用途に使われ土地に定着していることが条件です。
建築中の建物は、屋根と壁が作られた段階で、動産である建築資材から不動産へと法的な扱いが変わります。
安易に移動できるような、車でけん引するキャンピングカーは、動産として扱われます。
建物の中にあるふすまや障子、畳は建物にくっついていても、建物とは別個の動産という財産になります。
しかし、これらの動産は、建物に付属する従物であって、特別に別個の扱うという特約がない限り、
建物所有権の移転、建物抵当権の設定のとき、一緒に持っていかれるという影響を受けます。
ここで、注意しなければならないのは、土地を売買によって取得しても
その上に建っている建物は「当然に取得することにはならない」
ということです。
お金を人に貸して、その人の土地に抵当権を設定しても、
その上にある建物は「当然に抵当権の権利を主張することはできない」
のです。
民法では、「公示の原則」というのがあり、土地や建物を購入して取得しても、
「登記」が無ければ第三者に自分の所有権を主張することはできません。(民法第177条)
この「登記」については別の章で!