最近の賃貸物件は、ペットブームに合わせて「ペット可」物件が多く紹介されています。

でも、従来の「ペット不可」の物件に比べるとそう多くはないのです。

契約に反して無断で室内でペットを飼育していると、

思わぬ原状回復のための損害金を請求されますので、十分ご注意を!

 

 

トラブル紛争判決事例

賃借人A(被告)が契約に反して、無断で中型犬を飼育しており、賃貸マンションの部屋が著しく損傷したため、原状回復費用について、貸主B(原告)が訴えを起こし、フローリングの全面貼り替え費用約40万円を借主(被告)に

支払うよう認められた事例(東京地裁 平成27年1月29日判決)

 

1. 平成25年7月 本契約開始当初は、居住者はA本人のみで、ペット飼育の申し出はなかった。

しかしその後賃借人Aは、家主Bに無断でAの兄弟を同居させ、Bに届けないまま兄弟が連れてきた中型犬(スタンダードプードル)を本件貸室内で飼育し始めた。

 

2. 近隣居住者から、深夜に犬の鳴き声、ベランダから犬の糞尿の臭気、共用部分に糞が放置について、クレームが再三にわたって寄せられた。

 

3. 家主Bは、改善を要求し転居を勧めた結果、賃借人Aは平成26年4月 解約を申し出、同年5月に貸室を退去した。

その時、家主Bの工事業者と原状回復の立ち合い確認を行っている。

 

4. 同年7月家主Bは、賃借人Aに対し、原状回復費用として合計78万円余りの退去清算書を送付したが、賃借人Aは支払いに応じなかったため、「原状回復費用」および「遅延損害金」についての本件訴訟を起こした。

 

 

 

家主側から訴訟により請求された金額

原状回復費用 合計560,450円

① ルームクリーニング費用:25,000円

② 溶質クロス貼り替え代:8,811円

③ LD壁クロス貼り替え代:18,824円

④ LDカウンター横壁下地調整代:3,000円

⑤ フローリング貼り替え費用:399,900円

⑥ 巾木交換費用:8,400円

⑦ 残材運搬費:2,500円

⑧ 諸経費:30,000円

⑨ 消費税:41,515円

早期解約に伴う違約金 138,000円

未払賃料等に敷金を充填した残額5,548円

※経過年数を考慮して減額した額になっています。

 

 

紛争の内容

賃借人Aは,上記の請求のうち、

⑴ 違約金については、家主側から退去を迫ってきたので不当である。

⑵ フローリング貼り替え費用は全面貼り替えの必要性に疑問があり、見積もりが高すぎて不当である。

と反論しました。

 

 

判決の要旨

裁判所は賃借人Aの言い分を棄却し、家主Bの請求を容認しました。

⑴ 本件契約において、他の者を同居させること及び動物の飼育は原則禁止されているところ、賃借人Aは兄弟と同居し、また、犬を飼育するにあたり家主Bの承諾は得ておらず、家主が賃借人に退去を求めたのは賃借人の本件契約の違反行為によるものであるから、違約金の支払い義務を免れる理由にはならないといえる。

 

⑵ フローリング貼り替え費用の請求について、本件貸室には、フローリング全体にわたって、動物の爪等による引っ掻き傷、継ぎ目部分にも動物の糞尿等の染み込みと思われる黒ずみが多数みられ、また、室内は間仕切りがないタイプであり、新たに賃貸するためには、フローリングの部分貼り替えではなく、全面貼り替えが必要であると認められる。

よって、家主側(原告)請求額は、相当であると認められる。

 

 

(一財)不動産適正取引推進機構発行「RETIO NO.104」より転載

 

 

 

まとめ

通常の賃貸物件を退去するときは、原状回復費用について、補修費用・部分貼り替え費用までで、家主が全面貼り替え費用を請求してきても、それを認めた事例は、まず見られませんでした。本件においては、中型犬で室内で飼うには不適切な犬種を室内で飼っていたことや、ペットの糞尿等を放置していたこと等の事情により、判決が認められた特殊な事例のようです。しかし、近頃のペットブームでこのような事例は今後多くなってくるように思います。

 

 

 

最後によもやま話

弊社代表も犬を飼っています。

ポインターという中型犬の雑種です。

家の中で飼っています。

犬は家族ですので、基本、家の中で一緒にご飯食べて、一緒に寝ます。

犬を外で鎖で繋いで飼うのは、虐待だと思い込んでいます。

当然、持ち家です。

日本は、犬の殺処分が多すぎます。

特に高知県の年間犬猫殺処分の数はワースト上位です。

文化的レベルをも疑う事実に悲しくなります。

どうか、みなさん、犬を飼うときは、

ちゃんとペット可物件かまたは持ち家を用意してから飼ってください。

そして、寿命が来るまで大切な家族として仲良く一緒に暮らしてあげてください。

 

どんぐり不動産 代表者の独り言でした。

最後まで、読んでくださってありがとうございました。

感謝します。